WIT Acceleratorが、どんなふうにWITに関わってくださっているか、ご紹介していきたいと思います。
第2回は、須藤奈応さん(日本取引所グループ)に、クロスボーダーラーニングジャーニーに参加したご経験を伺いました。
聴き手・書記:青木三紀
文責:山本未生
1. ラーニング・ジャーニーに参加しようと思った理由を教えてください。
日本のノンプロフィット(非営利)の現場でどういった取組が行われているのか知りたいと思い参加しました。色々なツアーを見てみましたが、1週間で多くの現場を訪問し、経営者と直に接することができるWITのプログラムに魅力を感じました。
WITとの面接を受け、参加が決まってから、会社に1週間のボランティア休暇を申請して参加しました。私が参加した時の参加者数は、海外からの参加者も含めて約20名でした。費用は、日本からの参加者は、交通宿泊費を含めて全部で10万円くらい。少し高めではありますが、福島でNPOなどの団体を運営している代表と、合宿形式でビジョンなどを話しあうことができたことは、貴重な経験でした。
2.ラーニングジャーニーでは、どんなことを得ましたか?
私は普通の会社員ですが、非営利団体が思っていることを言語化したり、よりビジネスで通じやすい表現へ言い換えるなどのフィードバックは、先方の役に立てたかもしれないと思っています。特別にプロフェッショナルな知識を持っているわけではない自分にも、できることがあると感じることができたのは、大きな出来事でした。
いま私は、大企業に所属する若手有志が集まり、企業の枠を越え、イノベーションを生み出すための提言を行う「One Japan」という団体の幹事をしています。そこでソーシャル・インパクト分科会というものを立ち上げています。約80名が参加する分科会ですが、そこでWITのツアーで知り合った 「りぷらす」さんという団体にワークショップをお願いするなど、プログラム終了後にも繋がりが続いています。りぷらす代表の橋本さんの事業への想いの熱さと、彼らの事業が他地域にも幅広く展開していく可能性を、多くの人に知ってもらいたいと思いました。
WITのプログラムの独自性の一つは、海外からの参加者の存在です。そのおかげでツアー中の議論が、深まりました。そもそも面接を経てWITのプログラムに参加されている方であるだけあって、ビジネスだけではなく、自分でも非営利団体を運営しているなど、色んな一面を持つ参加者です。日本人同士だと、なんとなく阿吽の呼吸で分かり合えることがあるのですが、そこに海外の視点から見た素朴な疑問が投げかけられたりします。
例えばですが、ツアー中「漆とロック」の代表の貝沼さんと話していた時のことです。貝沼さんが、「ビジネスを拡大したい」という話をされていて、日本の参加者は文脈上、地域や国内での展開と理解していました。ところが、通訳を挟んでビジネスを拡大したいと聞いたアメリカ人から、「拡大したいのであれば、中国でつくって輸出したらどうか」という提案がありました。それに対して貝沼さんから、「それは考えていることと少し違う」という返答がありました。「それはどうしてか?では拡大はどこまでしたいのか?」などの質問があり、そこからの議論は一層盛り上がりました。
3.読者の皆さんへのメッセージがあればお願いします!
◇◆◇新しい一歩を踏み出すきっかけに◇◆◇
例えば他にも、「社会起業家を訪問する」というツアーは存在します。でも、少し訪問するだけでは、綺麗なお話を聞くところで終わってしまいます。WITのツアーは、起業家と一緒に考える時間も長く、参加者次第でより深いものになるのだと思います。せっかく会社を休んで参加するのであれば、仕事よりバリューがあることをしたいですものね。
まだ日本人にはこのプログラムは十分に知られていないですが、日本の大企業にお勤めの方にこそ、ぜひ参加してもらいたいです。副業ができず、また時間がかかるボランティアとはまた違い、短期集中で普段と全く違う経験を得られます。私は役職者でもないタイミングで参加しましたが、管理職の方にとっても、社外で自分が役立てるという良い気づきが得られると思います。
なおさん、インタビューのご協力ありがとうございました!みなさま、お読みいただきありがとうございます!