World in …という物語

WITはWorld in Tohokuの略。2014年3月からこの名前です。2011年の団体設立当初の名前はWiA(World in Asia)でした。そして実は、今また名前を変える旅路の最中(さなか)にあるのです。


WiAの名が産声を上げたのは、共同創設者のうちの3名である井上英之さん(いのいの)、加藤轍生さん(かとてつさん)、土田智憲さん(つっちー)が、「軽井沢の、明るい陽射しのさすコテージ」(by井上さん)でお話していたときのことでした。


その時を振り返った井上さんの言葉から。
(2012年のWiAフォーラムに寄せてくれたメッセージから抜粋しています。)

『世界は、すべての人のなかに、すでにある。
世界は、どこか遠くではない、東京のこのまちにも、あなたの故郷にも、
アジアにも、だれかの国にも、その場所に、その地域に、その人の足下にちゃんとある。

そこをしっかりと見つめたとき、よりオーセンティック(=嘘のない、地に足のついた、本物の)な
あり方につながったとき、そのことそのものが、他の人たちや地域への想像をかきたて、
より本質的につながっていくんじゃないか。

そんな思いをこめて、まずは、ぼくらは、World In Asiaを叫んでみよう。
同じように、World In 世田谷でも文京でも、大阪でもバンコクでも、World In 井上でもいい。

自分の足下に、世界が、大切なものがそこにあり、ぼくらはつながっているんだと、叫びたい。
そんな思いで、この物語は始まりました。』

『WIAは、たくさんの物語が、それぞれの北極星を目指しながら、そこにあるWorldを大切にし
そしてつながり、進化しつづける、ソーシャルイノベーションのプラットフォームになれば、と願います。』



World in …には、3つの方向にWorld(世界)が広がっています。

20170409_WiA1つ目は、Asiaの中の世界、Tohokuの中の世界、私の中の世界、というように、

自らの足元、源(みなもと)には、既に豊かな深淵な世界が広がっている、これを探求しよう!というひろがり。

たとえば、災害を受けた地は可哀そうな被災地ではなくて、これからの新しい社会への示唆や実践が山ほど詰まっています。


2つ目は、より多様な外の世界に触れることで、自らの世界観や視野をより豊かに広げていこう!というひろがり。

私が、WiA設立まもない頃描いた右の絵は、団体名を変えた今も、変わらず根底に流れる世界観を表しています。

WIT(イラスト当時WiA)は、世界の人々の智慧やリソースをつなぐことで、

社会起業家(Social Entrepreneur-社会を良くしようと行動する人)が、

新しい市民社会を市民とつくっていくことに貢献していこう!です。

最初の2つの世界は、

1. 自らにある世界性を(気づいていなかった部分を大いに含めて)探求する。

2. 外の多様な世界に触れることで、自らの世界がより豊かになる。

そして、この2つを行おうとする人と人が出会うと、3つ目の世界が扉を開けます。

3. 自他の多様で深い世界が出会うことで、(システムの全体性が広がり、)よりよい未来への可能性が生まれる。

MITでとった授業の中で一番好きだったOtto Scharmerが、U理論でいうPresensingがこれ。

20170409_Worldinたとえば、WIT Entrepreneurの貝沼航さん(漆とロック株式会社代表)が、WITクロスボーダー・ラーニングジャーニーでアメリカから来た参加者と出会う中で、漆器を通じた持続可能な社会づくりに、日本だけでなく世界で挑戦しようと思い、行動し始めたこと。

そして、シアトル生まれの日系アメリカ人Steve Sakanashi(同ラーニングジャーニー参加者)が、貝沼さんと出会ったことで、自らの知見や友人ネットワークを活かして、会津漆器の美しいショートフィルムを創り、その過程で、自分の先祖が会津にいたことを発見していったこと。



未来をつくる力は、あらゆる人の中に、すでにある。

うち・そとの世界に出会いつづけていくことで、その扉が開いていく。


そんなWorld in …の物語を、あなたとつくりたくて、この名前を大切にしています。



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